「文字」で考えられるか?
2024/10/1
「文字」で考える
2学期に入り、数学では「文字で考える」内容が増えてきています。
たとえば中1であれば、
「方程式の文章題」
を解いています。
この問題を解く場合、
「文字を使って考える」
ということが必要になってきます。
この「文字を使って考える」ということができるかできないか。
ここで、「できる子」「できない子」が大きく分かれます。
「抽象的」に考えられるか
たとえば
「1個60円のりんごを、5個買った時の値段はいくらか」
このように、具体的な数字が入っている場合では、
「60×5=300」
という計算をすることができる生徒がほとんどです。
これが
「1個60円のりんごを、x個買った時の値段はいくらか」
と、文字を使って表した場合になると、「?」となる生徒が出てきます。
それでも「代金」のような、身近なものであれば、練習すれば、文字を使って表すことができるようになります。
ですが、「速さ」「割合」といった、少し使い慣れない計算になってくると、「文字」が入ってくることで、完全に混乱してしまう生徒が続出します。
この場合、理解できない生徒は、
「数学の力がないから理解できない」
ということもあるのですが、それとあわせて
「『文字』という抽象的な表現になると、その意味がわからなくなる」
ため、理解できない、という感じがしています。
これは「国語力」の問題であると感じています。
「抽象的に考える」
誰かは忘れましたが、ある指導者が、
「国語力がないと、数学も成長するにつれて厳しくなる」
ということを言っていました。
生徒を指導していると、それは本当に感じられます。
「同じ言葉」を使って説明しても、国語力の「高い」生徒であれば、こちらの言いたいことを理解することができます。
逆に、国語力の「低い」生徒の場合、まず抽象的な表現、この場合であれば
「文字を使った説明」
をしても、ほぼ理解することが出来ません。
そのため、具体的な数字を当てはめて説明します。
具体的な数字になると、ある程度は納得できます。
ですが、数学は学年が上がるほど、内容は「抽象的」になっていきます。
全部を「具体例」で説明するのは、かなり難しいです。
そのため
「抽象的に考える」
という力が必要になってきます。
ですが、国語力が乏しい生徒には、それができません。
なので、
「国語力がないと、数学が厳しい」
ことになるのだと思います。
「自分の頭で考える」
「抽象的に考える」ことができるようになるには、どうすればいいか。
これは結局
「自分の頭で考える」
ことでしか身につかないように感じています。
たまに
「先生に聞いて教えてもらえば、できるようになる」
と考えている保護者の方がいます。
確かに「基本的な」「簡単な」内容であれば、そういった面もあります。
ですが、ある程度抽象度の高い、いわゆる「応用問題」に関しては、最終的には
「自分の頭で考えて理解する」
という過程を経なければ、自分の身にはならない。
そう思っています。
そして、
「自分の頭で考えて理解する」
ようになるためには、ある程度の言語能力、「読解力」と「語彙力」が必要だと感じています。
「国語はすべての教科の基礎となる」
ということが言われますが、それはこうした点が理由なのだと思います。
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