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猿田塾

「プリント学習」では伸びない

2025/10/6

「2Bの鉛筆」が教えてくれたこと

先日紹介した本、「シン読解力」

その中に、

「2Bの鉛筆が教えてくれたこと」

という項目があります。

今の小学生は、高学年になっても「2Bの鉛筆」を使っている。

高学年になると、計算等、細かい内容を書くことが増えてくるので、芯の細い「HB」になっていくのが普通だった。

ところが今は、「プリント学習」になり、「書く量が減った」ため、高学年になっても「2Bの鉛筆」を使い続ける生徒が多い。

このような内容でした。

私が生徒を指導していて感じていた、まさにそのことがこちらの本でも紹介されていました。

「プリント学習」の罪

今の小学校では「プリント」を使った指導が一般的なようです。

理由の1つとしては

「小学生が勉強する内容が多すぎるため、効率よく授業を進めるために、プリントが必要」

ということでした。

授業が効率よく進められる。

そのことはいいことのように感じられますが、その結果、子どもたちが「書く量」が減りました。

以前であれば、黒板に書いてあった内容をノートに書き写すような「視写」をしなければなりませんでした。

ところがプリント学習になると、「穴」になっている部分を埋めるだけでいい。

そうすると、ただ「キーワードだけ」を覚えるだけになり、文の構造を理解することや言い回しを理解することが困難になってしまう。

結果として、読解力が低下していく。

そのように結論づけられていました。

この点も、私自身が小学生を指導していて感じていた点だったので、

「やっぱり『プリント学習』だけだと力がつかないんだな」

ということが確信できました。

「課題外在性認知負荷」

その他に、「ワーキングメモリ」という観点の考察も、興味深いものでした。

例えば

「教科書のP130を見て、棒グラフの数値を読み取って、表にまとめる」

という課題が先生から与えられたとします。

勉強が得意な生徒であれば、それほど難しい課題ではありません。

ですが、勉強が苦手な生徒には、

「数値を表にまとめる」

という、学習の本丸にたどりつくまでに、

「ワーキングメモリを消費してしまう」

ということでした。

例えば、「教科書の130ページを開く」。

これがスムーズにできない。

まず

「先生は何ページって言ったっけ?」

と、先生の指定したページを聞き取れず、どのページを開けばいいかがわからない。

ここで数%の生徒が脱落します。

次に、ページ数がわかっていても、該当ページを開くのに時間がかかる。

慣れた生徒だと

「教科書のこのあたりが130ページ」

という勘がはたらくのですが、勉強が苦手な生徒は、これができません。

この段階でも、数%の生徒が脱落します。

このように、問題を解く上での「核心」部分に辿り着く前にこなさなければならない課題についてかかる負荷を

「課題外在性認知負荷」

と呼ぶそうです。

生徒の半数近くが、この「課題外在性認知負荷」でワーキングメモリを使い果たしてしまい、実際の

「数値を読み取って、表にまとめる」

という課題の核心部分にたどり着いた時には、力を使い果たしてしまっている。

という内容でした。

「問題を解く」以前で脱落

これも、まさに生徒を指導していて感じていたことでした。

うちの塾では「テキスト」「ノート」を使って勉強を進めていきます。

その時に、

「テキスト○ページを開いて」

と指示を出します。

「勉強が苦手な生徒」は、これがスムーズにできません。

モタモタとやっています。

「テキストのページを開くだけで、何をそんなに時間かけているのか?」

とイライラしてしまいます。

同じように、

「テキスト○ページの問題を解いて」

という風に指示しても、

「何ページでしたっけ?」

と、聞き返してくる生徒が異常に多い。

「この子たちは、人の話をきちんと聞いていないのだろうか…」

と、腹を立てていたのですが、こちらの本を読んで、腑に落ちました。

「そうか、生徒たちは、『課題外在性認知負荷』を軽くするようなトレーニングを受けていないんだな」

ということを感じました。

これでは、問題の本質部分を解く前に力を使い果たしてしまうので、学習効果も上がりません。

「地道なトレーニング」

こうした「課題外在性認知負荷」を下げるためには

「地道なトレーニング」

しかない、ということです。

・指定されたページを聞き取る
・指定されたページを開く
・教科書に書かれている内容を、正確に書き写す

こうした練習を繰り返していくことで、負荷を下げることができるそうです。

このような、いわば

「大人からすれば当たり前だと思われていた、勉強前の動作」

のところから、きちんと訓練をしていかなければならない。

今の子どもたちは、そうした環境に置かれているのだと思います。

何でもかんでも「効率よく」「お膳立てをして」あげるのは、長い目で見れば、

「子どもたちの能力を奪う」

ことになる。

そのことを痛感しました。

また、うちの塾は、環境を整えるだけの資金がなかったので、幸か不幸か

「紙と鉛筆」

を使った指導スタイルでやっています。

「これはこのままでいいんだな」

ということも感じました。

自信を持って、今のスタイルを貫いていこうと思います。

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