学校でのスマホ使用を禁止しても、成績は向上しない。が…
2026/5/13
「スマホ禁止」の調査
2026年5月4日付のニューヨーク・タイムズ(The New York Times)の記事で、
「学校での携帯電話禁止措置に関する初の大規模な全米調査」
の結果が報じられました。
その研究によると、スマホを学校内で使えないようにすると、「授業中のスマホ使用は大きく減った」そうです。
それにより、先生は指導はしやすくなり、「先生の授業に対する満足度」は向上したようです。
授業の雰囲気が落ち着き、「授業に集中する」という環境が作りやすくなった。
その意味では、学校でのスマホ禁止には一定の効果があると思われます。
「成績向上」は見られなかった
しかし、問題はここからです。
では、学校でスマホを禁止すれば、成績はすぐに上がるのでしょうか。
残念ながら、そう単純な話ではないようです。
今回の調査結果によると、学校でのスマホ禁止により
「学力向上への影響は、ほぼゼロ」
「ネットいじめの減少はなし」
のように、スマホ使用によって起こると考えられている問題に対して、有効な改善は見られなかったようです。
つまり、学校でのスマホ禁止は一定の効果はありますが、「プラスを生み出す」効果までは確認できなかったということです。
この調査結果を踏まえて、どのように「スマホ」との付き合い方を考えていけばいいでしょうか。
「学校だけ」規制しても
学校でのスマホを禁止するだけでは、自動的に勉強ができるようになるわけではなさそうです。
考えてみても、授業中にスマホを使わなくなったとしても、家に帰ってから何時間も動画を見たり、SNSを見たり、ゲームをしたりしていれば、結局、勉強時間は削られます。
学校にいる時間だけスマホを制限しても、学校外での使用時間が長ければ、学力への影響は限定的でしょう。
家に帰ってから、すぐスマホ。
食事中もスマホ。
寝る直前までスマホ。
休日は朝からスマホ。
このような生活になってしまうと、勉強以前に、集中力や生活リズムそのものが崩れていきます。
そう考えると、学校だけでスマホを禁止しても、生徒の学力向上には限界があるのは当然のことのように思えます。
「家庭での管理」が重要
本当に大事なのは、学校でのルールに加えて、
「家庭でのスマホ使用をどう管理するか」
ではないでしょうか。
学校では「授業中は使わない」「校内では使わない」というルールを徹底する。
家庭では「使用時間を決める」「寝る前は使わない」「勉強中は別の部屋に置く」といったルールを作る。
学校と家庭が連携して、子どもたちのスマホ使用に注意を払う。
この両方がそろって、初めてスマホの影響を小さくできるのだと思います。
小中学生にスマホはいらない
私個人の意見を言えば、小中学生においては、スマホの使用はできるだけ厳しく制限した方がいいと考えています。
もちろん、スマホにも便利な面はあります。
すぐに調べものができる。
連絡が取りやすい。
有効な勉強アプリもある。
しかし、小中学生に関しては、
「スマホを利用して得られるメリット」
よりも、
「使用によって受けるデメリット」
の方が大きいと感じます。
特に大きいのは、「時間を奪われる」ことです。
スマホは、少しだけ見るつもりでも、気づけば長時間使ってしまいます。
動画、SNS、ゲーム。
どれも、子どもが自分の意志だけでコントロールするには刺激が強すぎます。
さらに、スマホは集中力も奪います。
勉強を始めても、通知が気になる。
少しわからない問題があると、すぐスマホに逃げる。
机に向かっていても、頭の中はスマホのことでいっぱい。
これでは、勉強の質は上がりません。
成績を上げるためには、「集中して考える時間」が必要です。
問題を解く。間違える。直す。もう一度考える。
この地味な作業を積み重ねることで、学力は伸びていきます。
しかし、スマホはその地味な努力を寸断してしまいます。
だからこそ、これからの時代は
「いかにスマホを活用するか」
だけでなく、
「いかにスマホの使用時間を減らすか」
が大きなテーマになっていく。
そのように思っています。
「大人のモラル」が問われる
これは子どもだけの問題ではありません。大人にとっても同じです。
気づけばスマホをダラダラ見ている。
少しの空き時間に、ついスマホを開いてしまう。
本を読む時間、考える時間、落ち着いて何かに取り組む時間が減っている。
そのように感じている方は多いのではないでしょうか。
自分自身にも、思い当たる節があります。
大人でもコントロールが難しいものを、小中学生が自力で管理するのはかなり難しいです。
だからこそ、子ども任せにしてはいけないと思います。
今回のアメリカの調査は、スマホとの付き合い方を考えていくうえで、重要な一歩だと思っています。
しかし、「学校でのスマホ使用を禁止する」。
それだけで成績が上がるわけではありません。
だからといって、子どもたちに野放図にスマホを使用させるというのも、問題解決にはならないように思います。
学校での使用を制限する。
家庭でも使用時間を管理する。
勉強中は物理的に遠ざける。
寝る前には使わない。
スマホのない時間に、集中して取り組めることを作っていく。
こうした働きかけをしていくことで、初めて学力向上が果たされるのだと思います。
スマホとの付き合い方は、これからの子どもたちにとって避けて通れない、重要な問題です。
だからこそ、学校だけに任せるのではなく、家庭も含めて、真剣に考えていく必要があると思います。
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