「気づき」こそが、最大の学び
2026/5/20
「教えて」と言われるが…
保護者の方と話をしていると、
「子どもに教えてほしい」
と言われることが、よくあります。
もちろん、塾なので「教える」ことは仕事の一部です。
わからないところを説明し、解き方を示し、考える方向を示す。
それは当然やるべきことです。
ただ、この「教えてほしい」という言葉に、私は少し違和感を覚えることがあります。
おそらく多くの保護者の方は、
「教えられれば、できるようになる」
と考えているのだと思います。
わからないことを先生が説明すれば、子どもは理解し、問題が解けるようになる。
そう考える方が多いのが現実です。
しかし、実際には「教えられている」だけでは、成長しません。
説明を聞いているその瞬間は、わかった気になります。
けれども、いざ自分一人で解こうとすると手が止まる。
これはよくあることです。
なぜなら、受け身の姿勢では、本当の意味で「習得できていない」からです。
「気づく」ことが重要
大切なのは、自分で「気づく」ことです。
「あ、ここはこう考えればいいのか」
「間違えたのは、この部分だったのか」
「このやり方を使えばいいのか」
こうした気づきがあって、初めて知識や技術は自分のものになります。
松下幸之助さんの言葉に、
「経営のコツここなりと、気づいた価値は100万両」
というものがあります。
自らの力で「コツ」に気づく。
経営に限らず、これは学び全体に通じる言葉だと思います。
人から言われたことよりも、自分で気づくことの方が、はるかに価値があります。
自分で気づいたことは忘れにくく、色々な場面で使えるからです。
職人の方の話の中で、よく
「師匠から教わったことはない」
「『見て覚えろ』と言われた」
という話が出てきます。
これは自ら「気づく」ということができなければ、職人として一人前にはなれない、ということを表しているのだと思います。
「気づく」には
では、どうすれば「気づける」ようになるのでしょうか。
そのために重要なのが、反復練習です。
同じような問題を繰り返し解く。
そうした繰り返しの中で、少しずつ見えてくるものがあります。
「この問題は、いつもここで間違える」
「こう考えると、ミスが減る」
「ここを先に確認すれば、早く解ける」
こうした気づきは、人によって異なります。
自分で手を動かし、何度も試していく中で出てくるものです。
大学時代の友人に、「単純作業が好き」と言っていた人がいました。
その友人は、
「同じ作業を繰り返していく中で、『どうすればもっと効率よくできるか』を考えるのが楽しいから」
と言っていました。
これが「自ら気づく」ということだと思います。
同じ作業をただ何となく繰り返すのではなく、改善点を見つける。
どうすれば速くなるか、どうすれば正確にできるかを自分なりに工夫する。
この姿勢を持つことで、単調な単純作業の中から「学び」が生まれます。
反復練習が、足りない
今の子どもたちは、
「反復練習によって何かを身につけていく」
という経験が少ないように感じます。
少しやってできなければ、すぐにやめてしまう。
同じ問題を繰り返さずに、次から次へと違う問題を解く。
そうした場面をよく見かけます。
ただ、それでは身につくものは少ない。
「反復練習によって身につけた技術」は強いです。
一度しっかり身についたものは、年を取っても簡単には失われません。
自分自身が年を取り、何十年も前のことを生徒に教えていると、そのことを強く感じます。
勉強を通じて身につけてほしいのは、単なる知識だけではありません。
繰り返すことによって上達する経験
自分で気づき、改善していく経験
そして、自分の力でできるようになる感覚
です。
「教えてもらう」ことだけを待っていては、成長は望めません。
本当に力がつくのは、「自分で気づいた瞬間」です。
生徒たちには、反復練習を通じて
「気づく」
という経験をたくさんしてほしいと思います。
それが、あらゆる分野での成長につながる。
そう信じています。
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