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一番遠くまで行けるのは「一歩一歩」進む人

2026/7/29

定期購読している本の中に、次のような言葉がありました。

「迂遠なようでも、一歩一歩、自分の足で前に進む者こそが、結局は一番遠くまで行ける」

とても印象に残る言葉でした。

私が尊敬している稲盛和夫さんの言葉の中にも、「一歩一歩の努力」の大切さを説いたものがあります。

大きな成果を出すためには、何か特別なことをしなければならない。

一気に状況を変えるような、画期的な方法を見つけなければならない。

そのように考えてしまいがちです。

しかし実際には、毎日できることを少しずつ積み重ねていくことが、最も確実な方法なのだと思います。

「楽をして成果を出したい」という風潮

最近は、

「できるだけ楽をして成果を出したい」
「最短ルートで結果を出したい」

という風潮が、以前よりも強くなっているように感じます。

もちろん、無駄な努力を減らすことは大切です。

効率を考えることも必要です。

同じ成果が得られるのであれば、時間や労力が少ない方法を選ぶことは、決して悪いことではありません。

また、運よく何かが「当たる」こともあるでしょう。

たまたま始めたことが大きな成果につながったり、短期間で注目されたりすることも、実際にはあるのだと思います。

ただ、10年以上塾を続けてきた自分の実感としては、

「そんなにうまい話はない」

というのが正直なところです。

長く続く成果を手に入れるためには、結局、一歩一歩進んでいくしかありません。

塾を始めた頃は、何をすればよいのか分からなかった

私自身、塾を始めたばかりの頃は、正直に言えば、

「これから、どうすればよいのか分からない」

という状態でした。

塾を立ち上げたものの、生徒の数は少ない。

これから本当に生徒が増えていくのかも分からない。

自分の指導方法が正しいのかも分からない。

経営についても、ほとんど経験がありませんでした。

うまくいかない状況が続く中で、

「このまま続けるよりも、潰してしまった方がよいのではないか」

と思ったこともあります。

大きな理想はあっても、どのようにすればそこにたどり着くのか。

そのための道筋が、まったく見えていませんでした。

当時の自分にできたこと

そんな未熟な自分に何ができるのか。

そう考えたとき、思いついたのが、

「とにかく、他の塾よりも一分でも長く生徒と一緒にいよう」

ということでした。

指導技術もない。
知名度もない。
立派な実績もない。

それならば、

「誰よりも生徒との時間を共有しよう」
「とにかく長く、生徒の勉強に付き合おう」

と考えました。

「情熱」だけは、どこの塾にも負けてたまるか、と。

今振り返ると、かなり無茶な働き方をしていたと思います。

よく体力が持ったものだと思います。

もっと効率のよい方法があったのかもしれません。

経営者として見れば、決して洗練されたやり方ではありません。

しかし、当時の自分には、それしかありませんでした。

目の前の生徒と向き合う時間を増やす。

その一つのことを、愚直に続けました。

気がつけば、目標に届いていた

そのようなことを続けているうちに、少しずつ人が増えていきました。

一人増え、また一人増え、という形でした。

生徒が増えている時は、「生徒が増えている」という実感が、それほどありませんでした。

毎日、目の前のことに必死だったからです。

塾を運営するうえで、「生徒数」の目標は持っていました。

ただ、その目標を達成したときも、

「ついに達成したぞ!」

というような感激は、正直ありませんでした。

月謝袋の数を数えながら、

「あれ、そういえば目標人数になってるな…」

と思ったのです。

結果が出るときとは、案外そのようなものなのかもしれません。

毎日の努力の最中には、自分が前に進んでいることが分からない。

しかし、見えないところで少しずつ積み上がっている。

そして、ある日振り返ってみると、以前とはまったく違う場所に立っている。

一歩一歩の努力とは、そのようなものだと思います。

努力をしても、すぐには結果が出ない

一歩一歩の積み重ねは、決して楽ではありません。

なぜなら、努力をしても、すぐに結果が出るとは限らないからです。

むしろ、ほとんどの場合、最初は結果が出ません。

頑張っているのに状況が変わらない。
以前より努力しているのに、数字には表れない。
成長している実感もない。

そのような時期が長く続きます。

この「結果が出ない時期」に耐えられるかどうかが、大きな分かれ目になります。

多くの人は、

「これだけやったのに、結果が出ない」
「自分には向いていない」
「努力をしても意味がない」

と考え、やめてしまいます。

しかし、実際には、目に見える結果が出ていないだけで、力そのものは少しずつ蓄えられています。

成果が表に出るまでには、時間がかかるのです。

受験生が挑む、総合テスト

受験生は、これから総合テストに挑んでいきます。

この夏、これまで以上に勉強する生徒も多いと思います。

夏期講習に参加したり、図書館などで勉強時間を増やしたり、1・2年の頃よりも勉強をするでしょう。

ところが、夏に一生懸命勉強したからといって、すぐに総合テストの点数が上がるとは限りません。

むしろ、最初の総合テストでは、多くの受験生の点数は下がるのではないかと思います。

定期テストよりも出題範囲が広くなり、問題の難易度も上がります。

これまでのように、直前に習った範囲だけを勉強すれば点数が取れる試験ではありません。

そのため、夏休みに勉強したにもかかわらず、思うような結果にならない生徒も少なくないでしょう。

そこで、

「夏休みに頑張ったのに、点数が下がった」
「努力をしても無駄だった」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、そこで努力をやめてはいけません。

結果が出ないときに、どう考えるか

努力をしたのに結果が出なかったとき、考え方は二つに分かれます。

一つは、

「努力をしても無駄だった」

と考えることです。

もう一つは、

「まだ結果には表れていないが、自分は確実に成長している」

と信じて、先へ進むことです。

どちらを選ぶかによって、その後の成長は大きく変わります。

勉強した内容は、すぐにすべて使えるようになるわけではありません。

何度も復習し、問題を解き、間違いを直す中で、少しずつ定着していきます。

最初はバラバラだった知識が、あるときつながります。

以前は解けなかった問題が、急に解けるようになることもあります。

しかし、そこに到達するまでには、結果の出ない時期を通過しなければなりません。

結果が出ないときにも、変わらず続ける。

それが、「一歩一歩努力する」ということです。

遠回りに見える道が、最も確かな道

基礎問題を繰り返す。
覚えていない言葉を一つずつ覚える。
間違えた問題を、もう一度やり直す。
分からないところを教科書で調べる。

こうした勉強は、地味です。

やっていても、すぐに達成感を得られないこともあります。

もっと効率のよい方法があるのではないか。

もっと簡単に成績が上がる方法があるのではないか。

そう考えることもあるでしょう。

しかし、一見すると遠回りに思える地道な勉強が、結局は最も確実な道です。

一歩一歩進んでいる人は、その途中では、自分が進んでいるかどうか、わかりません。

けれども、途中でやめずに歩き続ければ、最後には一番遠くまで行くことができます。

受験生の皆さんには、この夏、目の前の勉強に一つずつ取り組んでほしいと思います。

すぐに結果が出なくても、焦らない。
点数が思うように伸びなくても、投げ出さない。
毎日、淡々と続ける。

その一歩一歩の道のりが、受験本番の自信につながっていきます。

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