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「働かなくてはならぬ」

2026/7/30

「働かなくてはならぬ」

最近読んだ雑誌の中に、印象に残る詩が紹介されていました。

「本も読まなくてはならぬ 考えてもみねばならぬ しかし凡人は働かなくてはならぬ」

こちらの詩を紹介していた方が、次のような言葉も話されていました。

「今は働き過ぎはよくないという風潮がある。しかし、プロの世界はそんなに甘いものではない」

この言葉を読んだとき、私は首がもげるほどうなずきました。

心身を壊すまで働くことを肯定するつもりはありません。

長時間働けば、「それだけで立派」という考えにも賛成できません。

ただし、

「働き過ぎはよくない」

という言葉が、

「できるだけ努力しない方がよい」
「無理をせず、ほどほどにやれば十分だ」

という意味で使われているのであれば、それはちょっと違うと思います。

特に高い成果を求めるプロの世界では、周囲と同じ程度の努力をしているだけでは、抜きん出ることはできません。

トップ層は、驚くほど働いている

「アメリカ人は、日本人ほど働かない」

というイメージを持っている人もいるかもしれません。

しかし、実際には、アメリカでもトップ層の人たちは、驚くほど働くといいます。

第一線で成果を出している人たちは、膨大な時間と労力を注いでいます。

特に研究の世界では、

「トップを取らなければ意味がない」

という厳しい競争があるそうです。

仮に二番目に同じ発見をしても、最初の発見者と同じ評価は得られません。

先に論文を発表した人が、その成果を手にします。

そのような世界で勝負をするのであれば、

「必要最低限だけ働く」

という姿勢では、通用しないでしょう。

結果を出している人は、見えないところで、常識を超えるほどの努力をしている。

これが事実ではないでしょうか。

「最小限の努力で最大限の成果」

最近は、

「最小限の努力で、最大限の成果を得たい」

という意識が、以前よりも強くなっているように感じます。

「コスパ」
「タイパ」

という言葉も、頻繁に使われています。

費用に対して、どれだけの効果が得られるか。
使った時間に対して、どれだけの成果が得られるか。

こうした視点は、決して悪いものではありません。

限られた時間やお金を有効に使うために、効率を考えることは必要です。

むしろ、何も考えずに闇雲に遠回りをするよりも、効率のよい方法を探した方がよいでしょう。

私自身も、無駄なことはしたくないと、常々思っています。

ただ、最近は「効率をよくする」という考えが、

「努力そのものを減らしたい」

という話にすり替わっていることがあるように感じます。

昭和の「根性論」はイマイチだが

なんでもかんでも「根性」で片づけられていた昭和の価値観が、正しかったとは思いません。

長時間働けば偉い。
休まず働く人が立派だ。

私自身、精神論だけで何事も片付けようとする考え方は好きではありません。

そのような働き方は、改めるべきです。

努力の方向が間違っていれば、どれだけ時間を使っても成果にはつながりません。

だからこそ、自ら学び、考え、工夫する必要があります。

しかし、

「根性論は間違っている」

ということと、

「大きな努力は必要ない」

ということは、まったく別の話です。

努力をせずに、結果だけを欲しがる

おかしいと思うのは、

「努力はしたくない。しかし、結果は最大限欲しい」

という考え方です。

仕事は最低限がいい。
でも、収入は増やしたい。
周囲から評価もされたい。
自分の理想的な生活を実現したい。

そのような話が通用するほど、世の中は甘くありません。

若者たちが、

「できるだけ楽をして結果を出したい」

と考えるようになったのは、若者の責任ではないと思います。

そのような価値観をつくったのは、今の社会です。

そして、その社会をつくってきたのは、私たち大人です。

テレビやインターネットでは、

「これだけで簡単に成功できる」
「短期間で人生が変わる」
「努力をしなくても稼げる」

といった情報が、毎日のように流れています。

成功した後の華やかな部分だけが強調して紹介される。

一方、その人がそこに至るまでに費やした時間や、積み重ねた努力、失敗は、あまり語られません。

大人たち自身が、

「なるべく苦労はしたくない」
「責任は負いたくない」
「それでも自分は得をしたい」

という姿を見せていれば、若者が同じように考えるのは当然です。

「努力をせず、結果だけを求める」

という若者の姿は、そうした生き方を追い求めてきた大人たちの「写し鏡」のような気がしています。

人より成果を出したいなら、人より努力する

私が小さい頃によく言われていたのは、

「人よりも成果を出したいのであれば、人よりも努力をしなさい」

ということでした。

私は、この言葉は真理だと思っています。

時代が変わっても、この原則は変わらない。

そう信じています。

人より先に進みたい。
人より高い成果を出したい。

そう願うのであれば、人よりも多くの努力をしなければなりません。

若者を批判するのは簡単

「今の若者は、コスパやタイパばかり求めている」
「苦労をしたがらない」
「すぐに結果を欲しがる」

そう批判するのは簡単です。

しかし、若者がそのような考えを抱くようになった背景には、社会全体の価値観があります。

若者だけを責めても、何も変わりません。

もし若者に努力の大切さを伝えたいのであれば、大人が自分の行動で示す必要があります。

大人が、誰よりも努力をする。

その姿を見せることが、最も説得力のある教育になるのだと思います。

行動で示す人間でありたい

私は、若者に対して、

「コスパ」「タイパ」ばかり追求しているからダメなんだ!

と、言葉だけで説教する人間にはなりたくありません。

人に努力を求めるのであれば、まず自分自身が努力する。

生徒に勉強を続けるよう伝えるのであれば、自分も学び続ける。

生徒に挑戦するよう伝えるのであれば、自分も新しいことに挑戦する。

生徒に結果が出なくても諦めるなと言うのであれば、自分も結果が出ないときに歩みを止めない。

そうした姿を、行動によって見せる必要があります。

行動が伴わない言葉は空虚です。

生徒たちは、そうした空虚な言葉を敏感に見抜きます。

言葉に説得力を持たせたいと思うならば、自らが行動し続ける必要があります。

自分は、行動で示す大人でありたい。

そう思っています。

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