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「足利尊氏」という生き方

2022/1/11

時代劇、特に大河ドラマにハマっているのですが、年末年始は、こちらの作品のお世話になりました。

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太平記」です。

自分の中で、空前の「戦国ブーム」が来ています。「戦国」と名のつく本はついつい購入してしまいます。

その一方で、「戦国だけ偏って知っているのもいかがなものか」という思いがあります。

そこで「ドラマは戦国以外の時代のものを見るようにしよう」

ということで、白羽の矢が立ったのがこちらの「太平記」でした。

日本史は全般的に好きな方ですが、その中で、足利氏が中心となった「室町時代」には、正直あまり興味がありませんでした。

なので、この機会に「一度室町時代を見つめ直そう」と思って見ることにしました。

また、足利尊氏といえば、「弟(直義)との確執」が有名です。その点についても興味があったので、「太平記」を見ました。

救われない男

で、つい先日見終わったのですが、「素晴らしい」作品でした。期待以上の面白さで大満足でした。

と同時に「足利尊氏、救われない…」という気持ちにとらわれました。

この作品を見る前の、私の中の足利尊氏といえば

「北条高時や後醍醐天皇を倒して、室町幕府を開いた人」

「弟との確執があった人」

「弟や部下は優秀だったけど、尊氏本人はそこまで優秀じゃなかった」

くらいの認識でしかありませんでした。

しかし、ドラマを通して足利尊氏の一生を見ていたら、とにかく次から次へと「切ない」事件が起こり続けます。

なので、見ているこちらの方の心が痛くなっていき、どんどん引き込まれてしまいました。

ひたすらバトル

まず、手始めは「北条高時」の討伐。

尊氏は最初は北条高時に仕えていました。ですが、酒色に溺れ、世の中を統治する力を失っていた北条氏を見限ります。

そして「打倒北条」を掲げて挙兵した、「後醍醐天皇」側に付きます。

見事に北条氏を討伐し、世の中は後醍醐天皇を中心とする「建武の新政」が始まります。

「天皇を中心とした美しい世の中がつくられる」

そう無邪気に喜んだのもつかの間、今度は後醍醐天皇の、建武の新政に対して、武士の不満がつのっていきます。

そうした不満は、武士の棟梁である尊氏の元に集まります。

尊氏自身は、後醍醐天皇への尊敬の念が変わらないのですが、周りの武士からの持ち上げもあり、最終的に後醍醐天皇と袂を分かち、戦うことになります。

これが「南北朝」の争いの幕開けとなります。

後醍醐天皇と争う中で、北条を倒す時には同じ仲間として戦った「楠木正成」「新田義貞」らと争い、倒していきます。

尊敬する天皇や仲間の武士をことごとく打ち倒し、ようやく尊氏中心の時代(室町幕府)を作ることが出来ました。

「これでようやく、美しい世の中をつくることができる」

そう思ったのも束の間、まだまだ争いは続きます。

今度は身内の中で

室町幕府において、尊氏は、政治を弟の直義、軍事を執事の高師直に任せます。

その結果、直義と高師直の仲が悪くなり、それぞれの派閥ができ、対立が激化していきます。

周りの敵対勢力を駆逐したら、今度は身内の中での権力争いが起こってしまったのです。

なんとか争いをおさめようと尊氏は努力しますが、努力の甲斐もなく、武力衝突に至るまで権力争いは泥沼化。

そして、最終的には直義側によって、高師直は抹殺されてしまいます。

最後は弟を

高師直がいなくなってまとまるかと思えば、今度は兄(尊氏)と弟(直義)に分かれて権力争いです。

そこに尊氏の子供(直冬)も絡んできて、泥沼具合は最高潮に。

そして、最終回。ついに尊氏は決断します。

弟の直義を殺害してしまうのです。

そして、ようやく権力争いが終わりに向かう方向でエンディングを迎えました。

ただ「美しい世」をつくりたいだけなのに

最後は、それなりに穏やかなエンディングになっていました。

ですが、ドラマを通して、とにかく尊氏が救われない。

尊敬する上司の元、世を乱す勢力を駆逐したと思ったら、今度は上司との仲が悪くなる。それに加えて仲間だった武士との中も悪くなる。

仕方なく上司や仲間の武士を倒したら、今度は身内の中で争いが起こる。

尊氏自身は「世の中をよくしたい」と思って戦っているのですが、頑張れば頑張るほど争いが次から次へと起こっていく。

そんな尊氏の様子を見ていて「救われないなぁ…」と思いました。

尊氏を演じていた真田広之さんの演技が素晴らしかったこともありますが、この作品を見て、ちょっと足利尊氏の見る目が変わりました。

その他にも北条高時を演じていた片岡鶴太郎さんや、長崎円喜を演じていたフランキー堺さん、足利直義を演じていた高嶋政伸さんなどの演技も印象に残っています。

あ、一色右馬介役の大地康雄さんもよかったなぁ…。

今から30年前の作品ですが、とてもおもしろかったので、超オススメです。

この感動を忘れないように、生徒たちに「いかに足利尊氏が救われない人物だったか」を力説しています。

が、私のトーク力が及ばず、いまいち生徒の琴線に触れていない気が。無念…。

時代遅れの…

30年の時を経て、令和の時代に、1人「太平記ロス」になっています。

そこで、次はこれを見ようと思います。

義経」です。

太平記を見ていて、「戦国以外の時代もおもしろいな~」と思ったので、「新選組」と迷ったのですが、源頼朝に興味が出てきたので、こちらをチョイスしました。

「太平記ロス」の心を満たしてくれるのか。今から楽しみです。

☆YouTubeチャンネルもやっています
https://www.youtube.com/channel/UCcorE8DZR8FqA_EX2tlHo-A/featured?view_as=subscriber
ぜひご覧ください。

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