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「アクティブラーニング」の成否

2019/7/22

来年度から学習指導要領が変わり、
「アクティブラーニング」が導入されます。
「アクティブラーニング」については
様々な定義がありますが、要するに
「生徒が『主体的に』学ぶことにより理解を深め、
 自分の意見を主張していく力を身につける」
ということだと思います。
これまでの学校教育は
「先生の授業を聞く、受動的な」
いわゆる一方的な授業でした。
その結果、社会人になった時に
「自分の意見を主張できる人材が育っていない」
という問題が生じました。
国際化、多様化が進み、
変化の速度が速くなっている現代では、
「自分の主体的な考えを持ち、主張する」
ことが大事です。
こうした問題を解決するために、
今回「アクティブラーニング」が
導入されるようになったのだと思います。
ですが、個人的にこの試みは
「失敗する」と予想しています。
なぜそう思うのか?
それは、
「子供達は『答えがない』問題について、
 答えることができない」
という現実があるからです。
生徒に指導をしている先生方であれば
思い当たる節があると思いますが、
子供達に
「自分の考えを書いてごらん」
と言っても
「何を書いていいか、わからない」
と言って、固まってしまいます。
また、答えが「ある」問題、
例えば算数の計算であっても、
「自分の『学んだはず』の解き方で
 進めても、答えが出るかどうか不安」
という問題に直面した時、
全く進まなくなることがあります。
「先生、答え何ですか?」
「いやいや、それを求めるのが勉強だよ」
「でも、その『求め方』がわかりません」
「じゃあ間違えていいから、
 とりあえず『こうかな?』というやり方で
 やってごらん。習っているからできるはずだよ。」
そう言ってやらせてみようとしても、
自信がない場合は解こうとしません。
「答えのある」計算問題ですら、
「自分の考え」を表現できない子供達に、
「答えのない」問題を解かせた時に、
果たして子供達は答えられるのだろうか?
その疑念が、どうしても消えません。
自分の意見を、自信を持って答えられる
子供は少数だと思います。
大多数の子供達は「自分の意見」を
まだ持っていないことの方が多いです。
そんな子供達に「アクティブラーニング」を
実施しても、何も進まず、
結局現場の先生が
「『模範解答』のようなもの」を作り、
それを共有して何となくお茶を濁して終わる。
そんな形になるような気がしてなりません。

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