手を抜かずに、書く
2023/9/7
慣れてくると
最近生徒を指導していて気になるのが、
「省略して書かない」
生徒が多い、ということです。
例えば、中1の生徒。
安曇野市の中学では「一次方程式」をやっています。
一次方程式の計算は、「途中式」をきちんと書いて、1つ1つ進めていくことが鉄則です。
ですが、慣れてくると、その「途中式」をはしょって、書かずに済ます生徒が増えてきます。
練習においては、それでも答えが出せたかもしれません。
ですが、テスト本番のようなプレッシャーがかかる場面になると、「手を抜いて」練習していた生徒は、基本的なところで間違えます。
そして、それを「ミス」として片付けてしまい、以後も「ミス」を繰り返すことになります。
なぜ「書かない」とダメなのか
中3の生徒でも、同じようなことがありました。
数学で「問一部分の過去問」を解かせました。
「問一部分」は、計算中心の内容です。
基本的な問題が多く、特にある程度の実力がある生徒であれば、問題を見ただけで解ける場合もあります。
そこで、「式を書くのが面倒」という感じで、ただ答えだけ書いて済ませていた生徒がいました。
これだと、成長しません。
なぜダメか?
それは、間違えた時に
「どのような問題の、何を間違えたのか?」
が、一目でわからないからです。
また、このような練習をしている生徒の様子を見ていると、
「ただこちらから言われたからやっているだけ」
という印象を持ちます。
もし、
「間違えた時に、どこを間違えたのか、自分で確認する」
という意識があれば、
「ただ答えだけ書いて済ませる」
ということにはなりません。
きちんと書かない生徒は、
「『なぜその勉強をしているのか?』という目的意識が弱い。」
という印象を受けます。
なので、こうした生徒は伸びません。
遠回りしているようで
面白いもので、「計算が得意」とばかりに途中式を書かずにやる生徒ほど、本番では間違えてきます。
逆に、「1つ1つ丁寧に」途中式を書いて計算する生徒の方が、パッと見たところは地味ですが、本番では正確に答えてきます。
実際に今の受験生で、一番正確に計算ができる生徒は、例え簡単な計算問題であっても、ノートに「キチッ」と途中式を書いています。
正確に計算ができる生徒ほど、途中で手を抜かずに、1つ1つ着実に途中式を書いて進める。
このような姿勢は、仕事の面でも通じるような気がします。
「簡単な仕事」に対して手を抜く人、というのは、信頼できる仕事はできないように思います。
こうした「簡単な仕事」というのは、表に出ないことが多く、やっているその人にしかわからない、ということが多いです。
「人が見ていないところで、どのように振る舞うのか」
そこに「人間の本質」というものが表れ、そして、それがそのまま仕事にも表れるのだと思います。
生徒たちには、勉強を通じて
「どんな些細なことであっても、手を抜かない」
という姿勢を身につけてほしいと思っています。
※猿田塾へのお問い合わせは、こちらから