「ながら勉強」はよくない
2026/7/2
「音楽を聞きながら」
生徒たちに家庭での勉強の様子を聞いていると、
「音楽を聞きながら勉強しています」
という話をよく聞きます。
勉強は孤独であり、また退屈なものです。
そうした感情を抑えるためにも
「音楽を聞きながら勉強した方が、長い時間机に向かえる」
という感覚があるのかもしれません。
しかし、「ながら勉強」はおすすめしません。
脳科学的に間違っています。
勉強する時は、勉強。
音楽を聴くときは、音楽。
それぞれを分けて行った方がいいです。
「深夜ラジオ」世代
私たちの世代では、
「深夜ラジオを聞きながら、徹夜で勉強する」
という受験勉強が、ある意味では定番でした。
ラジオ番組を聞きながら、夜遅くまで机に向かう。
私自身は、ラジオに興味がなかったのであまりやりませんでした。
が、「かぶれていた」時期には、多少やっていたような記憶があります。
当時は、それが悪いことだとは思っていませんでした。
むしろ、ラジオを聞きながらやることで
「受験生っぽいじゃん!」
と、一人悦に入っていたような気がします。
しかし、今の知識を持ったまま学生時代に戻れるのであれば、私は絶対に
「ラジオを聴きながら」
「徹夜で」
勉強することは、絶対にやりません。
人間の脳は、複数のことを同時に処理することはできないと言われています。
勉強に集中しながら、同時に音楽を聴く。
それはできません。
なので、
「音楽を聴きながら勉強をする」
ということは、自分では勉強できているつもりでも、学習効率は確実に下がっています。
音楽を聞きながら勉強していた生徒
以前いた生徒の話です。
家庭学習について、母親が次のような話をしていました。
「家で勉強している様子は見られます」
「ただ、ヘッドフォンをして、音楽を聞きながら勉強しているようです」
私はその話を聞いて、「これはまずいな」と感じました。
そこで生徒本人に、
「音楽を聞きながらの勉強は効率が悪いから、絶対にやめた方がいいよ」
と、何度もアドバイスをしました。
しかしその生徒は、その後も音楽を聞きながらの勉強を続けていたようです。
「勉強はしている」という親の声はあったので、机に向かう時間は、それなりに確保していたのだと思います。
しかし、成績は伸びませんでした。
最終的には、当初希望していた進路を変更して、志望校を下げて進学していきました。
もちろん、成績が伸びなかった原因が、ながら勉強だけだったとは言い切れません。
ただ、今でも
「音楽を聞きながらの勉強をやめていたら、もう少し結果は違っていたのではないか」
と思うことがあります。
長時間机に向かえばよいわけではない
勉強で重要なのは、
「ただ長い時間机に向かうこと」
ではありません。
大切なのは、
「どのくらい集中して取り組めているか」
です。
「音楽を聞き」
「スマートフォンを確認し」
「時々メッセージを返しながら」
2時間机に向かうよりも、
「何も置かずに」
30分集中して問題を解いた方が、確実に学習効果は高いでしょう。
勉強する時間には勉強をする。
音楽を聞く時間には、音楽を楽しむ。
一つ一つを分けて行うことが大切です。
スマートフォンを机に置くのは最悪
音楽以上に注意したいのが、スマートフォンです。
「調べ物に使うから」
「時間を確認するから」
という理由で、スマートフォンを机の上に置いて勉強する生徒がいるようです。
しかし、これは最悪です。
実際にスマートフォンを操作していなくても、近くに置いてあるだけで意識がスマートフォンに向いてしまい、集中力が低下するという研究結果もあります。
ましてや、着信や通知が来れば、そのたびに集中が途切れます。
一度切れた集中を、元の状態まで戻すのは簡単ではありません。
勉強するときには、スマートフォンを「絶対に」近くに置かないことです。
時間を確認したいのであれば時計を使う。
勉強時間を測りたいのであれば、スマートフォンではなくストップウォッチやキッチンタイマーを使う。
スマートフォンがなくても勉強できる環境を、最初から作っておくことが重要です。
勉強の「中身」にも目を向ける
「今日は2時間勉強した」
「毎日机に向かっている」
このように、勉強の「がわ」だけを気にする生徒がいます。
しかし、その2時間をどのように過ごしたのかという「中身」にまで意識を向けられる生徒は、実は多くありません。
勉強時間を増やすことは、もちろん大切です。
しかし、その前に、
「自分が最も集中できる環境は、どのような環境か」
についても、考えてみてほしいと思います。
音楽を聴きながらやらない。
スマートフォンは別の部屋に置く。
机の上には、今使う教材だけを置く。
こうした環境を整えることによって、同じ勉強時間でも得られる効果は大きく変わります。
勉強するときには、勉強だけをする。
勉強という「孤独」と向き合うのはつらいですが、その「辛さ」に耐えられる人が、成長できるのだと思います。
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