大学合格実績から見る高校の強みと課題(松本深志編)
2023/7/20
これまで、何回かに分けて、中信地区の高校を中心に、「大学合格実績」についての記事を書いてきました。
※参考
→「大学合格実績検証① 長野VS松本深志(2023)」
→「大学合格実績検証② 松本県ヶ丘(2023)」
→「大学合格実績検証③ 松本蟻ヶ崎(2023)」
→「大学合格実績検証④ 松本美須々ヶ丘(2023)」
→「大学合格実績検証⑤ 松商VS松本第一VS都市大塩尻(2023)」
→「大学合格実績検証⑥ 松本秀峰(2023)」
その中で、大学進学における、各高校の「現在地」と「課題」というものが見えてきたように思います。
そこで、中信地区の高校の「強み」と「課題」について、自分なりの考えをまとめてみたいと思います。
今日は「松本深志」です。
松本深志の「強み」
①「国公立大学の医学部」に強い
②「理系」に強い
深志の強みは、何と言っても
「国公立大学医学部合格者県内No.1」
というところです。
こちらの数字は、全国的に見ても十分通用する数字となっています。
この数字を支えているのが、地元「信州大学医学部」です。
今年は深志から12名合格しています(2位は長野高校の5名)。
信州大学医学部を目指すなら、まずは「深志に入る」というのが、理想的なルートだと言えます。
さらに言えば、中信地区の子供が医者を目指す場合、
「地元の公立小中学校」
↓
「松本深志入学」
↓
「信州大学医学部に推薦合格」
というのが、一番費用がかからない、理想的なコースと言えるのではないでしょうか。
ただ、これを実現するには、相当頑張らないといけないと思いますが…。
また、深志は「理系」に強い印象があります。
東大・京大の合格者を見ると、ほとんどが理系の学部です。
また、難関私立の「東京理科大」の合格者も多いです。
その他でも、工業系の大学に合格している数が多いので、「理系」に強い印象を受けます。
そう言えば最近、深志の生徒が「国際数学オリンピックで銀メダルを取った」という記事を目にしました。
数学や理科が得意な生徒は、ぜひ深志を目指していただきたいと思います。
松本深志の「課題」
①「文系」が弱い
②国公立大学の実績がイマイチ
③現役合格の割合が小さい
「理系」の華々しい実績と比べると、「文系」は非常にパッとしません。
気になって調べてみたのですが、過去5年、東大の文Ⅰ~文Ⅲの合格者は、現役浪人合わせても「0名」でした。
これはちょっと寂しい数字です。
私も文系でしたので、文系の生徒にはぜひ奮起していただきたいです。
明るい材料もあります。
今年は文系の最難関大学、一橋大学に5名合格していました。
この数字を来年以降、さらに伸ばしてほしいな、と思います。
また、「国公立大学」の合格実績がイマイチな気がします。
「国公立大学」の場合、中学で言う「5教科」がまんべんなく出来なければならないため、私立大学と比べて、難易度が高めです。
国公立大学、特に旧帝大を始めとする難関大学に進学するには、かなりの「勉強量」が必要であり、かつ全国の進学校の生徒と戦う必要があります。
そうした競争に「負けている」という気がします。
現役の皆さんには、自治を叫んでばかりでなく、もっと勉強してほしいと思います。
そして「現役合格の割合が小さい」。
これは、我々が現役だった30年ほど前からずっと続いている「悪しき伝統」だと思います。
我々が現役時代、
「深志は4年生」
と揶揄されたこともありましたが、その言葉が、30年後の今も通用している事実を知って、愕然としました。
首都圏を中心に、全国の進学校は
「いかに現役合格者を出すか」
という舞台で、しのぎを削っています。
そうした現状から見ると、30年前から変わらず「4年生」などとのんきに言っている状況は、「時代遅れ」感が半端ないです。
一浪して大学進学した自分が偉そうなことは言えませんが、現役の皆さんには、このような「悪しき伝統」を打破していっていただきたい。
心からそう願っています。
まとめ
最後に、松本深志の「強み」と「課題」をまとめると
強み
①「国公立大学の医学部」に強い
②「理系」に強い
課題
①「文系」が弱い
②国公立大学の実績がイマイチ
③現役合格の割合が小さい
となります。
この傾向が、来年以降変化するのか。
見守っていきたいと思います。
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